TASF
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| 物質名 | |
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ジフルオロトリメチルケイ酸トリス(ジメチルアミノ)スルホニウム | |
| 識別情報 | |
3D model (JSmol)
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| ECHA InfoCard | 100.156.426 |
CompTox Dashboard (EPA)
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| 性質 | |
| C9H27F2N3SSi | |
| モル質量 | 275.48 |
| 外観 | 無色の固体 |
| 融点 | 98-101℃ |
特記無き場合、データは標準状態 (25 °C [77 °F], 100 kPa) におけるものである。
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ジフルオロトリメチルケイ酸トリス(ジメチルアミノ)スルホニウム(tris(dimethylamino)sulfonium difluorotrimethylsilicate)またはTASF試薬(TASF reagent)は、構造式が [((CH3)2N)3S]+[F2Si(CH3)3]- と表される有機合成試剤である。TASF試薬は無水のフッ化物イオン源として、特に水を嫌う基質に対してシリルエーテルの保護基の除去に用いられる。
フッ化物イオンを供給する試薬としては、無機のフッ化物塩やフッ化テトラブチルアンモニウム (TBAF) など多くの化合物が知られているが、「裸の」F -の並外れた塩基性のため、厳密に「無水」であるものはほとんどない。TASFでは、フッ化物イオンは弱ルイス酸のトリメチルシリルフルオリド (FSi(CH3)3) に付加しており、求核性は抑えられている。
スルホニウムカチオン ((CH3)2N)3S+ は、3個のジメチルアミノ基 (CH3)2N- の電子供与性のため、求電子性はとても小さい。
合成
[編集]TASFは四フッ化硫黄から合成される。
上記の反応はエーテルを溶媒として行われ、無色の沈殿として TASF が得られる。
参考文献
[編集]- W. J. Middleton (1986). “Tris(dimethylamino)sulfonium difluorotrimethylsilicate”. Organic Syntheses (英語). 64: 221.; Collective Volume, vol. 7, p. 528
